夫婦同時育休は、家計的にありの家庭もあれば、かなり苦しくなりやすい家庭もあります。
つまり、答えは「全員にあり」でも「全員になし」でもありません。
先に結論を言うと、夫婦同時育休を考えるときは、
- 給付金がどのくらい見込めるか
- 貯金でどこまで耐えられるか
- 妻の復帰前提は本当に大丈夫か
- 保育園や復帰時期が崩れたときに持ちこたえられるか
- 固定費が重すぎないか
このあたりを見て判断した方が失敗しにくいです。
「夫婦で一緒に子どもを見られるのは魅力だけど、お金が不安」
「同時に休むとさすがに厳しい気もする」
そんな家庭向けに、この記事では家計の観点から判断ポイントを整理します。
まず知っておきたいのは、夫婦同時育休は気持ちだけでは決めにくいこと
夫婦同時育休と聞くと、
- 子どもと一緒に過ごせる時間が増える
- 妻の負担を減らしやすい
- 夫婦で協力して育児しやすい
といった良い面が思い浮かびやすいです。
実際、そこはかなり大きいです。
特に出産直後は、睡眠不足も重なって、片方に負担が偏るとかなりきつくなりやすいです。
ただ、その一方で家計では、
- 収入が同時に下がる
- 給付金の前提を甘く見やすい
- 予定通り復帰できない場合の影響が大きい
- 貯金の減り方が速くなる
という現実があります。
だからこそ、夫婦同時育休は
「気持ちとして取りたいか」だけでなく、「家計として持つか」
までセットで考えた方が安全です。
夫婦同時育休が向きやすい家庭
まずは、比較的回りやすい家庭から整理します。
給付金の見込みが立っている家庭
ここはかなり大きいです。
夫婦ともに、育児休業給付金の対象条件がある程度整理できていて、
「どのくらいの手取り感になるか」が見えている家庭は判断しやすいです。
逆に、制度名だけ知っていて、
実際に自分たちが対象かどうかが曖昧なまま進めると危ないです。
特に夫婦で同時に休む場合は、
「2人とも同じように給付が入るだろう」と思い込みやすいので注意が必要です。
生活防衛資金がある家庭
夫婦同時育休は、給付金があるとしても、最初から最後まで完全に安心とは限りません。
- 給付金が入るまでの期間
- 想定外の育児支出
- 物価上昇
- 保活や復帰時期の変化
こうしたものが重なると、家計は思ったより苦しくなります。
そのため、
一時的に取り崩しても大丈夫な資金があるか
はかなり重要です。
固定費が重すぎない家庭
住宅ローン、車、保険、通信費など、毎月の固定費が重すぎない家庭は、同時育休でも回しやすくなります。
逆に、固定費が重い家庭は、収入が同時に下がると一気に苦しくなりやすいです。
夫婦でお金の話ができている家庭
夫婦同時育休は、お金の話を避けたままだとかなり厳しいです。
- 何か月取るのか
- どこまで赤字を許容するのか
- 貯金をどこまで使うのか
- 復帰時期が変わったらどうするのか
このあたりを話せる家庭は、前提が崩れても立て直しやすいです。
逆に苦しくなりやすい家庭
次に、家計的にかなり注意が必要な家庭です。
夫婦ともに給付が入る前提で考えている家庭
ここはかなり危ないです。
実際には、働き方や休職状況によって、片方が思っていた条件を満たさないこともあります。
制度を知っているだけでは足りず、自分たちの条件で成立するかまで見ないといけません。
私の家庭でも、妻は妊娠中の体調不良の影響があり、想定していた形では育児休業給付金を受け取れませんでした。
そのため、夫婦で同時にお金が入る前提で考えるのは危ないと感じました。
妻の復帰を早い段階で前提にしている家庭
夫婦同時育休を考えるとき、意外と見落としやすいのがここです。
「同時に休んでも、その後は予定通り復帰できるだろう」
と考えていると、保育園や家庭事情で前提が崩れた時にかなり苦しくなります。
子どもが保育園に入れなければ、妻の復帰も予定通りには進みにくくなります。
すると、同時育休が終わった後も、家計がそのまま厳しい状態で続くことがあります。
固定費が重い家庭
たとえば、
- 住宅ローン
- 車を複数台持っている
- 保険料が高い
- 通信費を長く見直していない
こうした家庭は、夫婦同時育休の影響を受けやすいです。
同時育休そのものが悪いのではなく、
収入が下がる時期に固定費が重いままだと苦しくなりやすい
ということです。
夫婦同時育休で先に見るべき4つの項目
ここからは、実際に判断する時に何を確認すべきかを整理します。
1. 給付金の見込み
まずはここです。
- 夫はいくらくらい見込めるか
- 妻はいくらくらい見込めるか
- そもそも対象条件は大丈夫か
- いつ頃入るのか
この4つを曖昧にしたまま進めない方がいいです。
2. 貯金をどこまで使うか
夫婦同時育休を取るなら、
「貯金を使うのは悪いこと」ではありません。
ただし、問題は
どこまで減ったら危険かを決めないまま使うことです。
生活費、固定費、想定外支出まで見て、
最低ラインを先に決めておいた方が安心です。
貯金の考え方を先に整理したい場合は、こちらもつながります。
3. 復帰時期が変わった場合に持つか
これはかなり重要です。
夫婦同時育休は、休んでいる期間だけ見て判断すると甘くなりやすいです。
実際には、
- 保育園に入れない
- 妻の復帰が遅れる
- 時短になる
- 収入を思ったように戻せない
といった形で、その後に効いてくることがあります。
4. 固定費を先に軽くできるか
夫婦同時育休が厳しいかどうかは、
収入だけでなく固定費でもかなり変わります。
たとえば、
- スマホ
- インターネット
- 車保険
- 保険全体
このあたりは先に見直せることがあります。
「同時育休は無理かも」と感じる家庭でも、固定費を軽くするだけで現実味が出ることもあります。
お金以外でも見落としやすいこと
夫婦同時育休を考える時は、お金だけでなく、家庭の運営も見落としやすいです。
よくあるのが、
夫婦2人で育児すれば少し楽になるだろう
という感覚です。
もちろん助かる部分はあります。
でも、実際には2人いても大変なものは大変です。
私自身も、2人で見れば少しは楽になるかと思っていましたが、そんなに簡単ではありませんでした。
特に睡眠不足が続く時期は、小さなことでも空気が悪くなりやすいです。
だからこそ、夫婦同時育休を考えるなら、
お金だけでなく
- 家事分担
- 育児分担
- 不満がたまった時の話し方
- 相手に期待しすぎない工夫
まで見ておく方が、実際にはうまくいきやすいです。
じゃあ結局、夫婦同時育休はあり?なし?
結論としては、家庭によるです。
ただし、それでは判断できないので、実務的に言うとこうなります。
あり寄りの家庭
- 夫婦とも給付金の条件が見えている
- 生活防衛資金がある
- 固定費が重すぎない
- 保育園や復帰時期が変わってもすぐ詰まない
- 夫婦でお金の話ができている
なし寄りの家庭
- 夫婦ともに給付が入る前提が曖昧
- 貯金に余裕がない
- 固定費が重い
- 妻の復帰を早い段階で前提にしている
- 保活や復帰の見通しが甘い
- 夫婦でお金の話ができていない
つまり、
「同時に休みたい」だけで決めると危ないが、条件が整っていれば十分あり得る
というのが現実に近いです。
迷うなら、先に夫婦で話す順番を整えた方がいい
夫婦同時育休は、正解探しよりも、
何をどの順番で話すかの方が大事です。
いきなり
「取る?取らない?」
「お金大丈夫かな?」
と始めると、話が散りやすいです。
先に、
- 何が不安か
- どこまで赤字を許容するか
- 片方の復帰が遅れたらどうするか
- 何を先に見直すか
を順番に話した方が、かなり整理しやすいです。
夫婦で育休のお金を話す時に、揉めにくい進め方を先に見たい方は、こちらも参考にしてください。
→ 夫婦で育休のお金を話すときに揉めない進め方|感情ではなく順番で話す
まとめ
夫婦同時育休は、家計的にありかなしかを一言で決められるものではありません。
判断するときに大事なのは、
- 給付金の見込み
- 貯金の余裕
- 復帰時期が変わった時の耐久力
- 固定費の重さ
- 夫婦でお金の話ができるか
この5つです。
魅力だけを見ると前向きに見えますが、
前提が崩れた時のことまで考えないと、後からかなり苦しくなることがあります。
逆に、条件が整理できていて、夫婦で話し合いもできているなら、同時育休は十分現実的な選択肢になります。
迷う場合は、いきなり「あり・なし」を決めるより、
まずは夫婦で何をどう話すかから整えた方が進めやすいです。

