育休中のボーナスは、出る会社もありますが、満額とは限りません。
先に答えを言うと、
「育休を取ったから一律でゼロ」でも、「必ず満額」でもありません。
実際は、
会社の就業規則・賞与規程・算定対象期間 で決まることが多いです。
厚生労働省の資料でも、賞与の算定で休業期間を日割りで算定対象期間から控除すること自体は、不利益取扱いには当たらないとされています。
一方で、休業した期間を超えて不利に扱うことは法違反になり得ると整理されています。
なので、最初に持っておくべき答えはシンプルです。
育休中のボーナスは、会社規程しだい。
ただし、休んだ期間分の調整はあり得る。
でも、休んだ期間以上に不利にされるのは別問題です。
この記事では、
「育休中のボーナスはどうなる?」 を、ズレにくい形で整理します。
まずはこの3つだけ見ればズレにくい
育休中のボーナスで、最初に見るべきなのはこの3つです。
- 賞与の算定対象期間
- 出勤率や評価の扱い
- 就業規則・賞与規程のルール
この3つを見ないまま、
「育休だからボーナスなしらしい」
「いや、育休でも満額もらえるらしい」
と判断すると、かなりズレやすいです。
特に大事なのは、
支給日ではなく“算定対象期間”で見られていることが多い
という点です。
厚労省の規定例でも、賞与については、その算定対象期間に育児休業をした期間が含まれる場合、出勤日数により日割り計算した額を支給するという例が示されています。
1. なぜ「出る・出ない」で一括りにできないのか
ボーナスは、毎月の給与と少し性質が違います。
毎月の給与は、働いた月に対して払われるイメージを持ちやすいですが、
賞与は会社ごとに
- 何を基準に払うか
- どの期間を評価するか
- 誰を支給対象にするか
が違います。
厚生労働省や労働局の就業規則規定例でも、
賞与制度を設けるなら、支給対象者・支給対象時期・算定基準・査定期間・支払方法などを明確にしておく必要があるとされています。
つまり、
ボーナスは法律で一律に同じ計算になるわけではなく、会社ルールの影響がかなり大きい
ということです。
ここを知らないまま話を聞くと、
「友人は満額だった」
「SNSではゼロって書いてあった」
みたいな情報に振り回されやすくなります。
2. 一番大事なのは「算定対象期間」
ここが、いちばんズレやすいポイントです。
たとえば、夏のボーナスが6月に出る会社でも、
実際に見ているのは
- 前年10月〜3月
- 12月〜5月
- 1月〜6月
のような算定対象期間かもしれません。
つまり、
支給月に育休中かどうか だけでは決まりません。
見るべきなのは、
そのボーナスが、どの期間の勤務や評価をもとに計算されているか
です。
厚生労働省の規定例でも、賞与は算定対象期間に育児休業をした期間が含まれる場合に調整するという形で示されています。
このため、支給日だけ見ていても、実際の金額は読み違えやすいです。
3. よくある3パターン|満額・減額・なし
育休中のボーナスは、実務感としてはだいたい次の3パターンで見ておくと整理しやすいです。
① 満額に近いパターン
算定対象期間の大半を通常勤務していて、
会社の賞与ルールでも大きな調整が入らない場合は、
満額に近い形で出ることがあります。
また、会社によっては、
育休期間を通常勤務したものとみなす 規定例もあります。
厚労省の規定例でも、そのような考え方の例示があります。
ただし、これは会社差が大きいです。
② 一部減額されるパターン
いちばん多く想定しやすいのは、このパターンです。
厚生労働省は、
賞与の算定で休業した期間を日割りで算定対象期間から控除すること を、不利益取扱いには当たらないと整理しています。
なので、
- 算定対象期間の一部だけ育休
- 出勤日数や評価期間が短くなる
- 会社規程に日割りや按分の考え方がある
こうした場合は、
一部減額 は普通にあり得ます。
③ かなり少ない、または出ないパターン
算定対象期間の大半を育休で過ごしていたり、
会社の賞与規程で支給対象や評価条件が厳しかったりすると、
かなり少なくなる、あるいは実質的に出ないこともあります。
ただし、ここでも大事なのは、
休んだ期間分の調整なのか、休んだ以上に不利にされているのか
を分けて見ることです。
厚生労働省は、
休業した期間を超えて働かなかったものとして扱うことは、不利益取扱いに当たり得る としています。
4. 「ボーナス月に育休中」だけでは判断できない理由
ここはかなり誤解されやすいです。
たとえば、
6月支給の賞与がある会社で、6月に育休中だったとしても、
それだけで
「ボーナスはゼロだ」
とは言えません。
逆に、
支給月には復帰していても、
算定対象期間の大半が育休なら、金額が下がることもあります。
つまり、判断の順番は
- 支給月を見る
- 算定対象期間を見る
- 会社規程を見る
ではなく、
- 算定対象期間を見る
- 会社規程を見る
- 支給対象条件を確認する
の順です。
ここを逆にすると、
かなりの確率で読み違えます。
5. 見落としやすいのは「支給日在籍要件」
会社によっては、
賞与支給日に在籍している人だけを支給対象にする ルールを置いていることがあります。
労働局の就業規則規定例でも、
一定の日や賞与支給日に在籍している者を支給対象とする方法 が例示されています。
もちろん、育休中は通常は在籍中なので、
多くのケースではここで即NGにはなりません。
ただし、
- 退職予定がある
- 契約更新の境目がある
- 復帰前後で雇用条件が変わる
こうした場合は、
支給日在籍要件 も一応確認しておいた方が安全です。
6. ボーナスの「手取り」は社会保険料でも変わる
ここは少し補足ですが、実はかなり大事です。
読者が気にしているのは、
ボーナスが出るかどうか だけでなく、
手取りがどうなるか だと思います。
この点で、賞与にかかる社会保険料は、
一定の条件を満たす育休なら免除 されます。
日本年金機構によると、令和4年10月1日以降に開始した育児休業等 では、
賞与月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に、賞与保険料が免除 されます。
なので、読者向けにはこう伝えるのがズレにくいです。
ボーナスの額面 と
ボーナスの手取り は、同じではありません。
賞与保険料の免除条件に当てはまるかで、手取り感は変わります。
ただし、ここは条件確認が必要なので、
この記事では「一律こうなる」とまでは言い切らず、
会社確認が必要なポイント として扱うのが安全です。
7. まず会社に確認すべきこと
ここまでを踏まえると、確認項目は絞れます。
この4つを会社に確認すれば、かなりズレにくいです。
- 賞与の算定対象期間はいつか
- 育休期間は賞与計算でどう扱うか
- 出勤率や評価はどう反映されるか
- 賞与の社会保険料免除に該当する見込みがあるか
この4つを確認せずに、
「たぶん出るだろう」
「たぶん減るだろう」
で進めると、あとで家計の想定が崩れやすいです。
特に、ボーナスを
住宅ローン・貯金・家計補填 の前提にしている家庭は、
ここを曖昧にしたまま育休に入らない方がいいです。
こんな人は特に要注意
次のどれかに当てはまる人は、
ボーナスの扱いを必ず先に確認した方がいいです。
- ボーナス払いの固定費がある
- 年間収入に占める賞与の割合が大きい
- 評価査定が賞与に強く反映される会社
- 長めの育休を予定している
- 復帰時期が賞与算定期間に重なりそう
このタイプは、
月給だけ見ていると、
年収ベースのズレ がかなり大きくなりやすいです。
まず読んでおきたい関連記事
会社に何を確認すべきか整理したい人へ
→ 男性育休前に会社へ確認すべきこと|この順で見れば漏れにくい
申請の流れまで合わせて見たい人へ
まとめ
育休中のボーナスは、
出る会社もありますが、満額とは限りません。
大事なのは、
「育休だから出る・出ない」 で雑に判断しないことです。
見るべきなのは、
- 賞与の算定対象期間
- 出勤率や評価の扱い
- 会社の就業規則・賞与規程
- 賞与保険料の免除条件
です。
そして、制度上は
休業した期間分を賞与計算で調整すること自体はあり得る 一方で、
休業した期間を超えて不利に扱うのは別問題 です。
だから結論は、
「ボーナス月に育休中か」ではなく、「算定対象期間と会社規程」で見る。
これが一番ズレにくいです。
次に読む|男性育休前に会社へ確認すべきこと
ボーナスの扱いは、
制度の一般論だけではなく、会社確認で差が出やすい部分です。
先に確認項目を整理しておくと、
育休前の不安がかなり減ります。
